宮崎吾朗監督の第一回監督作品『ゲド戦記』が、2021年4月9日の「金曜ロードSHOW!」で放送されます。
と言うことで、今回は、「ゲド戦記」に登場する竜の存在について解説したいと思います。
この竜ですが、「ゲド戦記」の冒頭から登場するにもかかわらず、よく理解できない存在かと思います。
竜の謎について
竜に関しての主だった謎を3つに以下の絞ってみたいと思います。
では、1つ目の「竜の正体は結局何なのか?」から解説していきたいと思います。
1.竜の正体は結局何なのか?
「ゲド戦記」の舞台であるアースシーに遥か昔から存在している生き物が竜です。
そして以下のような特徴があります。
ここで登場する「太古の言葉」とは、
「太古の言葉」=「そのものの本当の姿を表す言葉」
です。
例として石は「通常:いし」ですが、「太古の言葉:トーク」と言います。
アースシーの魔法使いはこの「太古の言葉」を習得することで、そのもの自体をコントロールできるようになります、
この言葉をマスターした魔法使いが「竜王」と呼ばれ、歴史的にはめったに現れません。
ゲドはこの数少ない「竜王」です。(とてもすごい魔法使いなのですね。)
・なぜ竜同士が共食いをしたのか
そんな高尚な優れた知性を持つ竜が、「ゲド戦記」冒頭から理性を失ったように共食いをしています。
この原因は、魔法使い「クモ」による仕業で、力を得ようとして「生と死の世界」を繋げようとします。
そのために世界の秩序が崩壊してしまい、竜は「太鼓の言葉」を失ったわけですね。
優れた知性を持っていたはずの竜が獣のように共喰いを始めた流れは以下の通りです。
そして、竜が「太鼓の言葉」を失なったことで、この言葉を使用する「魔法使い」も力を失ってしまいます。
2.なぜ、テルーが竜に変身するのか?
次にテルーが竜に変身する理由について解説したいと思います。
結論から言うと、アースシーの世界では、ごくまれに人間の姿で生まれてくる竜が存在します。
そのごくまれに生まれた存在がテルーなのですね。
ゲドがテルーと会った際に「まさかな・・・」と言ったのは、竜王であるゲドが、テルーの中に存在する竜を感じとったといった場面となります。
3.ラストに登場する金色の竜は正体とは?
次に金色の竜の正体について解説したいと思います。
金色の竜が登場するのは、テルーが竜に変身したすぐ後に登場します。
そして、テルーが変身したのは黒色の竜であるのに対して、その後になぜか金色の竜がテルーとアレンの前に現れるシーンがあります。
このシーンを理解するのには「ゲド戦記」の原作第3巻「さいはての島へ」を読む必要があります。
この原作を読み進めていくと、「ゲド」と「アレン」が「クモ」に立ち向かっていきますが、さらにその他にオーム・エンバーと言う竜が参戦します。
原作では、この竜の体が金色として描かれているのです。
そのため、この金色の竜は「オーム・エンバー」かと思います。
・カレシシ説
原作ではこの「オーム・エンバー」以外にも「カレシシ」という最長老の竜が登場して、この竜が金色の竜ではないかという説もあります。
しかし、「オーム・エンバー」と「カレシシ」には以下のような違いがあります。
以上の点から、この竜は「オーム・エンバー」かと思います。