「風立ちぬ」に登場するキャラクターの中には戦時中に実在した人物たちを描いています。
主人公二郎の友達であった「本庄」もその一人です。
今回は、「本庄」について紹介していきたいと思います。
本庄について
まずは「本庄」について軽く紹介します。
モデルとなった本庄季郎は一式陸攻主任設計者で新三菱重工技術部次長を務めました。
また、第一回鳥人間コンテストにて優勝しています。
映画では同級生のような演出がされていますが、実在の本庄は二郎の一つ上の先輩です。
劇中の二郎との関係
劇中の本庄は主人公の二郎と東京帝国大学時代からの親友であり、同じ会社に入社した後には同僚ありライバル的な立ち位置になります。
二郎と三菱に入社した後は、2人で設計者として頭角を表し、共にドイツへ留学のため向かいます。その後帰国した二郎とは異なる道へ歩み出し、ドイツに残り、爆撃機のライセンス生産に関わります。その後、帰国後は八試特殊偵察機、九試陸上攻撃機の設計主務を務めます。
実は不仲だった
劇中の二郎と本庄は親友として描かれていますが、実際は不仲だったことが明かされています。
そのことは、宮崎駿と半藤一義の対談集『腰ぬけ愛国談義』で語られています。
本庄の名台詞
個人的に好きな本庄のセリフを紹介します。
・それでも俺は与えられたチャンスを無駄にしないつもりだ!
二郎:この国はどうしてこう貧乏なんだろう.
本庄:二郎、今回の技術導入でユンカース社にどれだけ金を払うか知ってるか。日本中の子どもに天丼とシベリアは毎日食わせてもお釣りがくる金額だ。
それでも俺は与えられたチャンスを無駄にしないつもりだ。
・いつか追いつき追い越してやる。
本庄:それでは間に合わない。俺たちは20年は遅れてるんだ。
歩こう。脳みそが煮えちまいそうだ。
俺たちは20年先のカメを追いかけるアキレスだ。20年の差を5年で追いつくが、カメは5年先にいる。
俺たちは5年を1年で追いつく。
二郎:それでは、ずっと追いかけることになるよ。
今はそうするしかないさ。いつか追いつき追い越してやる。
・早く使わせろ。待ってるぞ。
現状に不満を感じて、必死に自分の技術を磨こうとする姿勢や正々堂々とした態度はかっこいいですね!