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【風立ちぬ】堀越二郎がタバコを吸う理由!二郎・菜穂子の思いとは?【考察】

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「風立ちぬ」で余命わずかな菜穂子の手をつないだまま二郎がタバコを吸うシーンがあります。

このシーンは、結核を患っている菜穂子の横でタバコを吸っているため、賛否が分かれるシーンかと思います。

今回は、このシーンがどういう意味を持っているかについて考察したいと思います。

・タバコを吸うシーン

このシーンは、自分が余命わずかであることを分かっている菜穂子が二郎に対して「仕事してる姿見るのが好き」と言ったことを受けて二郎が吸うシーンです。

ここで菜穂子いう仕事は二郎がタバコ吸うことも含んでおり、タバコを吸うことも含めて、その全てを心に焼き付けたいと言った思いがあるシーンですね。

・残りの寿命を縮める行為では?

このシーンは菜穂子の願いとはいえ、結核を患っている女性のことを考えたら「一緒に結核を治そう。」「菜穂子の体のことが心配だ。」と考えて吸わない選択肢もあったのではないかと考えられるシーンです。

特に、結核を患っている菜穂子の寿命を縮めて、もう結核は治ることはないと二郎が考えているのではないかと思ってしまうシーンです。

・菜穂子の心の変化

このシーンの前、菜穂子は結核を治すために自ら希望して療養施設(富士見高原療養所, サナトリウム)に入りました。

このシーンは風花(山の頂上に積もった雪)が風で吹き飛ばされて飛んできます。

それにより、今後サナトリウムに雪が降りますよと伝えています。

サナトリウムに雪が積もってしまっては、もしかしたらもう2度と二郎には会えなくなるかもしれません。

(二郎もお見舞いに来ようとしても雪が積もっては来る事は出来ないかもしれません。)

こう言ったことから、菜穂子は二郎への想いは抑えることができなくなり、サナトリウムを抜け出して二郎の元へ向かいます。

(逃げ出した翌日には雪が積もりだしているのでギリギリの選択でした。)

・二郎の気持ちの変化

その後、駅で菜穂子と二郎は再会します。

二郎は菜穂子のことを心配して、サナトリウムへ帰るように促そうと考えていましたが、菜穂子を一目見て考えを改めます。

そこで、二郎は菜穂子に「帰らないで!」と言います。

「一目会ったら帰ろうと思ってました。」と菜穂子は言いますが、それに対しても二郎は帰らないでほしいと伝えます。

・菜穂子の心の変化

この言葉で菜穂子の気持ちに変化が出ます。

絵コンテ集にはここでの菜穂子は「次郎の言葉は望んでいたが予想していなかった。」と驚き見上げて、菜穂子の顔に歓喜が湧き上がる・喜びが湧き上がったようです。

・一番言ってほしい言葉だった

二郎が菜穂子へ帰らないでほしいと言ったことが、なぜ嬉しかったのか、それは自分を頼ってくれたからだと思います。

結核を患ったことで、周囲の人々は自分を病人として手厚く扱ってくれます。

誰かの役に立ちたい・誰かのために生きたいと考えていた菜穂子にとって、その環境は苦痛だったのだろうと考えられます。

周りは菜穂子のことを心配してくれているけれども分かってくれていたわけではありませんでした。

しかし、二郎は結核を治すことよりも自分の側にいて欲しいと言いました。

自分の気持ちをわかってくれたわけですね。

おそらく菜穂子は、誰かの世話を受けて生きながらえたい人間ではなく、誰かのために世話したい・尽くしていきたい人間なのでしょう。

・二人で仕事をする

そして、その決意を知った二郎は黒川に仲人を頼み、二人は夫婦となります。

連日深夜に及ぶ二郎の仕事ですが、家に仕事を持ち帰った際には、菜穂子の隣で仕事をします。

これは、菜穂子に「手をください。」と言われて、二郎は左手で菜穂子と手を繋いで、右手だけで計算尺を使います。

そして、菜穂子の隣で仕事をしているときに、仕事がうまくいくようになります。

なぜ仕事がうまくいくのか?

菜穂子の隣で仕事をするとなぜ仕事がうまくいくのでしょうか。

当然、菜穂子の精神的な支えがあり、2人一緒に仕事をしているからでしょう。

しかし、ここでタバコが出てきます。

二郎が「タバコ吸いたい。手を離しちゃダメ」かと菜穂子に相談すると、ここで珍しく菜穂子は「駄目」と言います。

あくまでも2人で飛行機の設計をしていきたい・片時も二郎を一人にしないという意志を感じます。

このため、二郎は左手で菜穂子と手を握りながら、右手でタバコを吸うようになります。

タバコには「仕事のイライラを軽減して、集中力が上がり、仕事の効率が上がる」効果がありますので、タバコを吸いながら、菜穂子の精神的支えを得た二郎は仕事が捗っていったのではないかと思います。

この後に零戦の設計が終わった後、「菜穂子がいたから出来たんだ」というセリフからも読み取れます。

そして、二郎が手がけていた飛行機の設計が終わったことを受けて菜穂子も自分の役割を終えたため、再びサナトリウムへ戻ります。

・まとめ

二郎の役に立ちたい・この人に尽くしたいという主体的な意思で気丈に振る舞う菜穂子の姿はかっこいいと思いました。

また、この二人で手を取り合って、お互い気兼ねなく接して飛行機を設計する雰囲気は個人的に好きですが、皆さんはどうでしょうか。

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