今回は、「ゲド戦記」に登場するアレンの剣について解説したいと思います。
このアレンが所持している剣ですが、作中では古くて抜くことができない、よくわからない剣でしたが、かなりしっかりとした設定があります。
この記事を読むことで、なぜ2度目にテルーを助けた時にアレンは剣を抜くことができたのかがわかると思います。
アレンが持つ剣について
まずはこのアレンが所持していた剣について軽く紹介します。
アレンの持つ剣の名前は「セリアドの剣」といい、アースシーで2番目に古い歴史を持つ剣です。
2番目に古い剣でありながら錆びることがなく使用することができるのは、この剣が強力な魔法によって鍛えられていたためです。
アレンが持っていた理由
アレンはセリアドの血を継ぐモレド家の皇子です。
(映画冒頭では、アレンの周りに国王や宮殿などが出てきていましたが、アレンの身分は明かされていませんでしたね。)
そしてモレド家の王は代々セリアドの剣を受け継いできたため、次にセリアドの剣を引き継ぐのはアレンというわけです。
原作では、「セリアドの剣」は正当に継承されますが、ジブリ版ではアレンが父親である国王から奪い去っています。
原作とジブリ版の違い等について詳しく知りたい方はこちら
→アレンが父親を殺した理由・宮崎吾朗監督の真意と誤解が解決?
セリアドの剣の法則について
そして、この「セリアドの剣」には法則があります。
それは、人の命を救うため以外に抜かれたことがなく、抜くこともできないという点です。
人を守るために抜くことができ、復讐・自身の欲求等のためには抜くことができないわけです。
なぜ1度目のテルー救出時に抜けなかったのか?
この法則がわかるとなぜ1度目にテルーを救おうとした時に剣を抜くことができなかったのかがわかるかと思います。
1度目のテルー救出時
つまり、1度目にテルーを救出する際には、アレンは心から彼女を救いたいとは思っていなかったというわけですね。
このことはクモの手下である「うさぎ」との会話から窺い知れます。
アレンが「やれよ」と言った狂気的な態度に怯んだ手下たちがその場から逃げ出したことで、結果的にテルーを救うことができましたが、こういう態度では「セリアドの剣」は抜くことができないわけですね。
2度目のテルー救出時
そして、ラストのクモと対峙してテルーを救出するシーンです。
この時、アレンは光り輝きながら「セリアドの剣」を抜くことができました。
「セリアドの剣」は人の命を救うために以外に抜くことができないので、この時、アレンは本当にテルーを救いたいと思っていたわけですね。
アレンの気持ちの変化がわかる
「セリアドの剣」の設定を知っておくことでアレンの心の変化やテルーに対する気持ちの変化などを読み解くことができます。
まとめると以下の通りです。
「セリアドの剣」の法則を知った上で再度「ゲド戦記」を見るとより面白くなるのではないでしょうか。