ジブリが好きな人なら一度は行ってみたい場所は「三鷹の森ジブリ美術館」ではないでしょうか。
このジブリ美術館の地下1階にある画像展示室にある「土星座」では期間毎にオリジナル短編アニメーションが上映されます。
上映内容についてはこちら→《オリジナル短編アニメーション》作品一覧
この短編アニメはジブリ美術館に訪れなければ見ることができないので、是非訪れてみてはいかがでしょうか。
そして、今回はこのオリジナル短編アニメーションの中で2010年1より公開されている「パン種とタマゴ姫」について紹介したいと思います!
作品紹介!
© 2010 Studio Ghibli
宮崎駿監督が原作・脚本・監督を務めた映画作品としては、2008年公開の「崖の上のポニョ」以来、短編作品としては、2006年公開の「水グモもんもん」以来の作品ですね。
また、作画監督を務めた高坂希太郎さんによると、本作は「アニメーションの原点回帰」を意識したようです。
アニメーションの原点とは、絵に生命を宿し動かすことだと考え、作画枚数はジブリ作品の中で最高枚数であるワンカット平均190枚にも昇るようです。
そのため、登場するキャラクター達の躍動感が凄まじく、本当に生きているのではないかと感じると思います。
・本作誕生秘話
本作では、パン種をこねていると、そのパン種に生命が宿り、逃亡する流れとなっています。
この着想に至った経緯は、ピーデル・ブリューゲルが描いた「穀物の収穫」(1565年)を観た宮崎監督が、この絵画で描かれている作物がライ麦だと知り、その事実を知らなかった驚きと、この絵画に描かれたヨーロッパの風景を舞台にした映画を作りたいと思ったことによるようです。
・穀物の収穫とは?
「穀物の収穫」は、ピーデル・ブリューゲルによって1565年から1565年に制作された絵画であり、現在はメトロポリタン美術館に所蔵されています。連作月暦画の中の1作であり、それぞれの季節とその作品は以下の通りです。
「穀物の収穫」は、良く実った麦畑と刈入れして休息している人たち、そしてのどかな田園風景が描かれていて、当時の農民の方々の日常がよく分かる絵画ですね。
・「おむすびころりん」からも着想
また、宮崎監督は「おむすびころりん」のお話にあるように
「パンを食べる国々にはパンが逃げ出すお話があるのを知りました」
とヨーロッパにあるパンが逃げ出す民話から考察していったようです。
そして、宮崎監督は以下のように考えが行き着いたようですね。
「パンならコロコロところがって逃げるとして、パンになる前のパン種なら、ネバネバ、グニャグニャ逃げ出すのかなぁ…、そんなことを考えているうちに、この映画を思いつきました」
この話は、「パン種とタマゴ姫」のパンフレットに書かれていますので、是非手にしてみてはいかがでしょうか。
・最後に
可愛らしいタマゴ姫とそれを追うバーバヤーガの見た目のインパクト・前半部分の重労働を強いられたタマゴ姫と後半からののほほんとしたキャラクターたちのギャップが見る人により一層のインパクトと作品の奥深さを感じさせると思います。
すでに述べていますが、登場するキャラクター達の躍動感あふれる本作を是非一度ジブリ美術館に足を運んでみてはいかがでしょうか。