ジブリが好きな人なら一度は行ってみたい場所は「三鷹の森ジブリ美術館」ではないでしょうか。
このジブリ美術館の地下1階にある画像展示室にある「土星座」では期間毎にオリジナル短編アニメーションが上映されます。
上映内容についてはこちら→《オリジナル短編アニメーション》作品一覧
この短編アニメはジブリ美術館に訪れなければ見ることができないので、是非訪れてみてはいかがでしょうか。
そして、今回はこのオリジナル短編アニメーションの中で「星をかった日」の豆知識を紹介したいと思います!
作品紹介
© 2006 井上直久・Studio Ghibli
星の種を手にしたノナはその後どうなるのでしょうか?
「星をかった日」作成秘話
『星をかった日』は、漫画化、画家、絵本作家の井上直久さんの作った「イバラード」という世界を元にして作られた作品です
ここで井上さんに関して簡単に紹介させてください。
引用:http://www.city.ibaraki.osaka.jp
1995年に公開された『耳をすませば』中に登場した「バロンのくれた物語」の背景画を井上さんが制作したことで注目を集めました。
そして、2002年、この背景がを描いているときに、宮崎監督と井上さんのおふたりが談笑をしていた時に、井上さんが次回作の絵本を話していたことで、『星をかった日』のアニメーション化へ向けて構想が宮崎監督の頭の中で動き出します。
・お二人の間で意見が合わなかった?
ただし、井上さんが考えていた設定では主人公は女の子だったが、宮崎監督は談笑した時に聞いた話から、主人公は男の子だと構想したようで、どちらも譲らなかったそうです。
そこから、しばらくは「星をかった日」の構想は進まなかったようですね。
※この辺りのエピソードは『星をかった日』のパンフレットにて宮崎監督がコメントしています。
・約二年後に話は進む!
それから約二年ほど経って『ハウルの動く城』の仕事が終わった後に、「星をかった日」の映画は始まったそうです。
井上さんのマンガと絵本の構想が種になっていますが、主人公は男の子として、「星をかった日」の映画は始まりました。
長い年月をかけて宮崎監督が考えている中で、主人公は男の子で完全に決定してしまってどうしようもなかったようですね。
星をかった日の裏設定!
この「星をかった日」と「ハウルの動く城」には意外な関係があることをご存知でしょうか。
作品紹介でも紹介しましたが、主人公のノナが野菜とひきかえに手に入れた星の種を育てる物語であり、一見すると「ハウルの動く城」と関係ないように思えます。
しかし、どうやらそうではないようです。
・鈴木敏夫さんと押井守さんの対談から出た設定とは?
2012年にニコ生で放送された「押井守ブロマガ開始記念! 世界の半分を怒らせる生放送」で鈴木敏夫さんと押井守さんが対談していますが、その時に、以下のような内容を鈴木敏夫さんが発言しています。
以下鈴木敏夫さんと押井守さんの対談内容です。
「星をかった日」は『ハウルの動く城』のサイドストーリーとして、ハウルの少年時代を描いた物語だったんですね。
つまり裏設定は以下のとおりです。
ストーリー自体は、「ハウルの動く城」と何の関係もないものとして描かれていますが興味深いですね!
井上直久さん裏設定について言及
そして、井上直久さんもアニメ版の「星をかった日」の裏設定についてツイートしています。
@akipcs こちらこそ、ありがとうございます。鈴木さんが言ったという、ニーニャとノナ君が後の荒れ地の魔女とハウルだという説、私は宮崎駿さんから直接聞きました。あの魔女とはあんまりだ、せめてサリマン先生にしてくれと(笑)言ったんですが、イヤそうなんですとゆずられませんでした。
— Naohisa INOUE 井上直久 (@iblard_INOUE) October 11, 2013
たしかに、魔女ではなく、サリマン先生にして欲しいですね。
宮崎監督が井上さんの絵本やイバラードの世界観に「ハウルの子供時代の物語」という独自の裏設定を加え、アレンジしたものが『星をかった日』になったようです。
絵本と短編アニメーションとは若干ストーリーは異なるものの、井上直久さんが描く綺麗で力強い絵・そして、突拍子のない不思議な世界観にきっと引き込まれると思います。
絵本版「星をかった日」を紹介
最後に、「星をかった日」の絵本版を紹介したいと思います。
物語は、自分の作ったカブで一つの小さな星の玉子を買うことから始まり、水やりをして太陽に当てたりしていくうちに初めは手で持てるボールくらいの大きさだったものが、最後は人が住めるほどの星に成長していきます。
突拍子のない世界観でありながら、妙に現実味があり、緑豊かで色彩豊かでありながら、背景には未来都市のような建物や宇宙船があったりと不思議な世界を楽しむことができます。
カラフルで綺麗なその絵本の世界にダイビングしたくなる衝動に駆られること間違いなしです。
ジブリ美術館で上映された短編アニメ「星をかった日」と絵本版の「星をかった日」を見比べるのも楽しいかもしれませんね!
その他の上映内容についてはこちら→《オリジナル短編アニメーション》作品一覧
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